ベルリン州、ディープテック・アジェンダを決定、5分野を重点支援へ
(ドイツ)
ベルリン発
2026年07月14日
ベルリン州政府は6月16日、今後10年間の技術志向型イノベーション政策の戦略的枠組みとなる「ディープテック・ベルリン・アジェンダ
」を決定した(プレスリリース
、ドイツ語)。同アジェンダは、ベルリンの競争力・レジリエンス・将来性を強化し、イノベーションをより迅速に実用化、付加価値創出、成長へと結び付けるとともに、技術およびイノベーションの主導権を巡る世界的な競争において、ベルリンの地位をさらに強化することを目的としている。ドイツ連邦政府の「ハイテク・アジェンダ・ドイツ」(2025年8月6日記事参照)や欧州委員会の「競争力コンパス」(2025年2月6日記事参照)とも方向性を合わせている。
アジェンダでは、(1)ベルリンを欧州有数のディープテック・イノベーション拠点として確立し、各種の技術的ブレークスルーを推進すること、(2)研究成果の実用化・事業化を加速すること、(3)ディープテック企業の事業拡大と成長のための優れた基盤を構築すること、の3つを戦略目標に設定した。州政府は、研究開発、技術移転、事業拡大における課題への対応を重視している。
重点技術分野として、(1)人工知能(AI)、(2)バイオテクノロジー、(3)マイクロエレクトロニクス・フォトニクス・量子技術、(4)先端材料・製造技術、(5)ソフトウエア技術の5分野を指定。州政府は、これらの技術分野を医療、モビリティー、エネルギー、クリーンテック、金融、行政サービスなどの応用分野と結び付け、イノベーション・エコシステムを形成する方針。また、一部の技術分野では、防衛やデュアルユースも応用分野として位置付けた。
実施手段としては、技術移転の加速、人材育成、研究・実証インフラの整備、データ活用環境の構築、成長資金の投入、国際的認知度の向上など10項目の重点施策を定めた。なかでも、研究成果の事業化促進を図るため、そのプラットフォームとして「ベルリン・トランスファー・ブリッジ」を創設し、大学・研究機関と企業との連携強化や知的財産の活用促進を進める。ベルリンは、4大学、39の高等教育機関、ヨーロッパを代表する大学病院であるシャリテ、70超の研究機関を擁しており、州政府はこうした研究基盤の強みを活用しながら重点技術分野への政策資源の集中を進める方針だ。
(中山裕貴)
(ドイツ)
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